【映画】戦場カメラマン ヤン・グラルップの記録 Krigsfotografen

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SKIPシティDシネマ国際映画祭2020

デンマーク。日常を切り取った動画の次のシーンは戦地だ。カメラマンとしてヤンがいる。子供4人と暮らしていくことと紛争地帯での仕事は地続きだ。「生きて帰って稼がなきゃ」多くを語らず強靭な意志の持ち主だった。

元妻が病にふし、4人の子を育てなくてはならなくなったヤンは戦地にいる間も親の役目を果たさなくてはならなくなる。今までは「母」がいた。

爆発音や銃声が響く瓦礫の街(かつては街だったのだろう……)のまっただ中で体を横にして目を閉じるヤンが印象的で、休む時と走る時の隙間にカメラのシャッターを切る。そしてビデオでみえる映像とカメラの写真はまったく別物に感じる。それはヤンが撮ったからだろうか?

女戦場カメラマンが家庭との板挟みになり仕事を諦める映画「おやすみなさいを言いたくて」があったけど、シングルファーザーのヤンは仕事を続けられている。他の職を探そうとは思わなかったのかな。ストロボカメラでの撮影を楽しむヤンはむしろのめり込んでいっているようにも見えた。

仕事仲間とのカメラ談義で「昔のレンズはいい」と昔気質のヤンは言うけど、携帯で撮った優れたドキュメンタリーがあるのを私は知っている。