借金 Dlug


ポーランド映画祭2014にて。
クシシュトフ・クラウゼ監督作品

1999年の作品なんだけど、今でも全然あり得る話。
偶然出会った幼い頃の団地仲間(立派なロシア人マフィアに育ったw)が、ありもしない負債を脅しでふっかけてくる話。「払えば自由になれる」という甘い考えからどんどん窮地に陥ってゆく。

マフィアのゲラルドに追いかけ回されるアダムとステファンの親友同士。このふたりの性格の違いがまた面白かった。頑固で一本気なアダムと、粛々とゲラルドの言うことを聞くステファンは最強のダメコンビだと思うわ。

ステファンは考えなしの腰抜けのくせして、危なくなったらさっさと彼女を切って(身を守るためであってもあれは酷い)、安全が確保されたらあっという間に彼女とよりを戻す。サイテーだ(笑)

序盤はアップが多く、徐々に引き気味になってゆく。特にBARにやってきたステファンの彼女が店内を見回すときのボヤけた顔が印象的だった。

ポーランドもかなりの個人主義の男性社会に見えた。
すべての決断は自分で下す。相談なんてしない。できなかったなんて言い訳はなしよ。後先考えない男たちには同情できないけど、スパイラル的に負の方へ負の方へ自ら向かっていく様は見ていて痛々しく、でも逆に爽快でもある。