【映画】マラカイボ、闇と抵抗 El Galón / Anabel Rodríguez

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駆け込みでベネズエラ映画祭オンライン参加。もう忘れかけたスペイン語の濁らないベネスエラがまだ肌に馴染んでいる。『マラカイボ、闇と抵抗』、『El Galón』『グアコのすべて』、短編を見た。

停電が130日も続いたマラカイボから始まって、Guaco念願のマラカイボライヴで終わったベネズエラ映画祭。♪おかしいじゃないか、スリアじゃ石油も取れるのに。道はでこぼこだらけ♬「人々はすべてゾンビになった。」

スリア州の石油採掘場近く、水上の家に住む少年はゴムボートをなんとかして手に入れたい……。「母親が大好きなんだ!」と笑う少年が家々を回って自分のゴムボートを完成させていく。少年が学校に行かないのは絶望感からではないだろうか。

 

ワンスアポンア…のタイトルは全然謎じゃなかった。

El Galónとマラカイボを一つの映画だと思ってた。。短編と中編でした。

 

カメラは荒廃した街中を写す。過去最長の130日間の停電に見舞われた街はあらゆるエネルギー活動が崩壊した。電力不足、人の交通、物の流通、ATMが使えなくなり紙幣が消滅、ニュースを伝えることもできない。「人間の質を失った」。。

外部から送金を受けることもできない、本当に詰んだって状況で暮らしている。政府が国民を救う気がない。

電気がない中撮影するのは大変だったろう。もう一つの短編『Harina』(2018)では俳優への給料は物品だったとも書かれている。

インタビューに答える市民が「マラカイボは古い国になろうとしている」と言っていたのが印象的。街は荒らされるばかりで新しい建物が生まれない。日本もそうだよね。

マラカイボ(2012)の「私たちは私たちを助け合うしか選択肢がない」と『Harina』(2018)の主人公のお母さんと同じことを言う。小麦粉や米だけなんて食事にならない。「(チョコレートの板は)冬まで保つ」とも。