『コロンブスの図書館』『路地裏の伯爵令嬢』
先々週の土日引きこもって本2冊読んだ。『コロンブスの図書館』エドワード・ウィルソン=リー、『路地裏の伯爵令嬢』ロレイン・ヒース。どちらも超面白かった。「庶子」という共通項があるが、コロンブスの息子が生涯父親だけを見つめ続けた前者と、父と母の両者と対峙した後者。
「家族とは血のつながりがある人間を言うのではない。一緒に暮らしてきたかけがえのない思い出と、心のつながりがあるかどうかで決まるのだ」フェミニズム全開。面白いことに、どちらも文献引いて物語を語っているとわかる文体。隠していない。
「今のわたし、これからなろうとしているわたし、そしてわたしがしようとしていること」フェミニズムといわずしてなんと言う。>路地裏の伯爵令嬢
海外ハーレクインはもうフェミニズム抜きに物語れない。なけりゃ語り尽くされた話か駄作。でもそれを求めて手に取ったわけじゃなくて純粋なすけべ心からなんだけど😇
I am Sukebe.
小説版 ハーレクイン・フェミニズム・海外 読みたい雑誌
ベビー・ファーマーという請負人の仕事を初めて知ったんだけど、先日のニュースを想起した。わけあって赤子を育てられない貴族が彼らに少しの金だけ渡して(さらに値切る💩もいる。)赤子を引き取ってもらう。主人公は子どもを保護することと「産んだ女性たちをこの世から排除するべきではない」と社会に知ってもらおうとする。
1871年の舞台をようやっと描けるってゆうね。
ちなみにシリーズ前作はコンドームがない時代、中出ししないよう気を付けてたのに妊娠するという現実にあり得るのにあまり見かけない展開。負担が女ばかりという世界をどうにか無くしたいね。
ふと思ったんだけど、『コロンブスの図書館』のエルナンドにコミケのカタログを渡したらどう"読む"だろうか。あらゆるジャンルの、人にはゴミに見えるメモや紙をスペイン中から集めて分類し検索しやすいように並べようとしたエルナンドは貪るように読むのではないかと想像すると面白い。
しかしエルナンドは寝る間を惜しんだオタクなので後継を育てることは出来ず図書館も蔵書もほぼ霧散してしまった。彼が取り組むべきは"クラウド"とでも言うべき人材の育成。血筋で継承しようとしたために彼の偉業は失われてしまった。
その点、日本の同人活動は血筋がほぼ関わりなく継承されていく。ジャンルの衰退はあるけれど活動が一斉に息を止めることはありえない。