フィール・ザ・ビートとスペリング・ビーへの挑戦

Spelling the Dream
Sam Rega


Feel the Beat
Elissa Down

 

Netflix『フィール・ザ・ビート』見た。予定調和しかないストーリーなんだけどまぁまぁ面白かった。当然Donna Lynne Champlinのオーラに圧倒されるよね。踊れる人が教える人に単純になれると考えるのは無理があるけど、主人公にはバーグというサポートがいてこそ、その技術は大変長けているのである。

 

本番前の楽屋で一人の生徒の長髪をその父親がカールしてあげてるシーン好きなんだよね。「The Half of IT」で記号キャラの扱いだったWolfgang Novogratzは本作でも主人公の元彼で結構ステレオタイプだけどこっちの方が好きだな。

 

同じく大会出場を目指すドキュメンタリー『スペリング・ビーへの挑戦』も見た。優勝🏆がでかい。小さな優勝者たちはカップに入りきらない単語を知っている。「運動じゃなくてもテレビに出れる」と喜ぶ。スペリングを覚えるのって自分(か相手)との反復なんだなぁ。対話しながらスペルを探る。

 

スペリングといえば『フィール・ザ・ビート』でバーグが病人に作るというキャセロールってなんぞやと「きゃせろ」まで入力したらcasseroleと携帯の内蔵辞書ですぐ出てきた。超便利。

 

スペリング・ビーへの挑戦』インド系アメリカ人の強さはどこから来るのか?の問いは「アクセスの容易さ」が一番だと個人的には思うけど、全国大会のファイナルの顔ぶれはいつも予想外なんだよね。面白い。

 

気になった単語を知っていく勉強法にインターネットは欠かせなくて、それ知ってる。ネットサーフィン。広く深く効率よく知る。ネットの情報はだいたいインチキって時代はおわったんだな(笑) 今時は信頼できるらしい。

 

漫画で育ってきたので「今年の出場が最後」の台詞で高校生を思い浮かべるけど、スペリング大会は15歳までなんだよね。始まるのも早い。たまたまかもしれないけど出場者には裕福な両親とめちゃくちゃ協力的な兄弟姉妹がいる。うーん特権。

 

スペリング・ビーで挑戦者がMay〜? Can〜?と出題者に丁寧に質問するのが印象的だった。ベル🛎が鳴っても(敗退のベル)、間違ってない!って逆ギレする人はいないんだろうか。(日本の中年男性じゃあるまいし、ないか)

 

(コンピュータの頭脳を上回った!って冒頭を受けて)完璧なスペルを求められて見事に答えた者が子どもであるって凄いというかなかなか興味深いなと思う。

 

そうそう。両親からの強制はないという(建前はそう言っている。)『スペリング・ビーへの挑戦』と、生徒が一言でもコーチの口を挟むと罰を受ける『フィール・ザ・ビート』、優勝の瞬間戸惑いがちの前者と、飛んで跳ねて笑顔だらけの後者の違いも面白かった。後者は大人が作ったフィクションだということが興味深い。