王の涙 イ・サンの決断 역린(逆鱗)


冒頭、イ・サンのために小さな砂重を袋に詰める尚冊から物語は始まることからもわかるように、これは尚冊の物語でもある。原題の「逆鱗」は誰が何に対してか、そして(当たり前だけど)涙なんて生易しいものではない。

王大妃のハーレム具合や若々しさがあり得なくて逆に好感を持った。

歴史上の人物が登場するために、彼の”史”を知っていたら映画の後の終着点も見えている。だからメインとなるのはそれに加えられる脚色(ネタバレに当たる)であって、その部分がすべて801。あんな設定こんな演出どんだけベタだよ、どうも有難う。


愛のメモリー愛のメモリーなの!?(動揺)

すごかったです。
いやっもう、なんていうやおいだろう。あれはやおい(キッパリ)。

ヒョンビンは兵役無事勤め上げて「その間本当に演技がしたかった」って言って『王の涙 イ・サンの決断』出演。本人もファンも待望の復帰作らしいけど、1作目がこれって激しいね??嬉しいだろうね、ヒョンビンファンには。「サスペクト 哀しき容疑者」のコン・ユと一二を争う”イイ背中”でした。

イ・サンの衣装の上からでもわかる隆々しさ。「鍛えることさえ憚られる立場」ゆえ、地〜味に鍛錬するんだけど、女官さえ立ち入れない禁断の空間は「チェイス!」の地下室と被る。甲斐甲斐しくお世話をする尚冊との絆がわかる場面でもある。

つか、イ・サン、体の鍛え方ハウツーは誰に教わったのかしら。。やっぱり尚冊?
「”周礼”持ってきて!」とか朝議での目配せ、公然とした”俺の尚冊”自慢はもうどうしようかと思った。

謀反の容疑をかけられた尚冊が捕まり、「(事情を聞くため)試弓会の後で尚冊と会う」と言ったイ・サン。あの言い方だとお楽しみはあとに取っておくみたいな感じを受けたんだけど、わたしだけかな??冷静に尚冊と向き合うのに猶予が欲しかったのかもしれない。尊たる者の孝の道…(使い方がチガウ)

今回、チョン・ジェヨンさんは文官と見せかけてかなり”動く”。画面が暗くてよく見えなかったのが残念なくらい飛んだり跳ねたり忙しい。
あとチョン・ジェヨンさんの笑い方が素晴らしく暖かくて格好よかった。

「観相師」のおちゃらけ担当、チョ・ジョンソクも出てるよ。弟役がほんと似合うね。出会ってすぐ尻に敷かれてるし、彼はつぶらな瞳が一番の武器だと思う。かわい子ちゃん。
「観相師」が見たくなった。

パク・ソンウンさんは相変わらずお色気むんむんでした。目の演技が素晴らしいです。お髭素敵スキー。演じるホン近衛隊長は立場的に多くを語れない役どころだけど、彼はイ・サンの唯一の”良心”であったように思う。尚冊に向けるものとは別の次元の …ように感じた。

尚冊は血のヨダレを垂らし、地べたを這う。その原意は皮肉にも”中庸”そのものにも見えた。”中庸”を暗唱し示し行った者は王ではなかった。だが、そうであろうとした。

ただ逆鱗に触れる者以外は。