ボートロップの120日 Die 120 Tage von Bottrop


映像ゼミナール2014に参加してきた。
C.シュリンゲンジーフの『ボートロップの120日』とアフタートーク
まぁ、集まってまで見るような映画ではなかったけど、ニュー・ジャーマン・シネマのオマージュてんこ盛りだったのが面白かった。

お話される教授方の顔ぶれからして、昨日と同じくファスビンダーと同年代の作品の方が良かったのかも、と思う。(主催者さんがこの作品を選んだ理由はもちろん理解したうえで、個人的な希望を言うと、だけど。)シュリンゲンジーフはあまりにもニュー・ジャーマン・シネマとかけ離れているし(”ニューシネマ”を撮っているにもかかわらず)、アクが強すぎる。

映像ゼミナールで配られた「Die 120 Tage von Bottrop ボートロップの120日」の資料が面白い。当時のインタビューが乗ってるんだけど、シュリンゲンジーフの皮肉屋っぷりが気持ちいい。色んなジャンルをこなす彼は受け答えもそつがないなぁ。

あとは、ヘルムート・バーガー!彼が出てきていた。今年「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」で豪奢なパトロンとして出てきてた姿が記憶に新しいけど、「Die 120 Tage von Bottrop」ではまだ若かった!(50歳くらい?)

ヘルムートとルキノ・ヴィスコンティの仲って、「イヴ・サンローラン」(ニネ君の方)のイヴとピエールを思い起こさせる。時代的にも同じくらい?彼らのような関係性が公然と世間に認知されるって歴史的に珍しいんじゃないかなぁ。受け入れられるか拒絶されるかはともかくとして。

あっ、そうそう、それでヘルムート・バーガーウリエル君の方の「イヴ・サンローラン」に出ているらしい。1989年の老年のイヴとして。こじつけだけど、なんだか面白い。来年日本でも公開されるかな。

トークにて、「バール」の話もちょろっと出てきたのが個人的に嬉しかった。バールが恋する男を演じたのは、プロの俳優ではなく素人だったらしい。それを聞いて、本編を見ていてちょっと違和感があったところが腑に落ちた。

彼はバールのことをどう思っているのか、いまいち伝わってこなかったから。というかそもそも存在感が薄すぎて途中まで端役だと思ってた!(笑)バールがその彼にだけ見せるうじうじした熱視線がちっとも交差していなくて、ひとり空回りしている姿が印象的だった。