マダム・マロリーと魔法のスパイス The Hundred-Foot Journey

”新しい味”はいつだって古いレシピから派生する。
溢れる人口のインドから、石畳の静かなフランスの田舎町へきたカダム一家。

向かいの伝統的なフランス料理レストランのオーナー(ヘレン・ミレン)と争いながら、やがて行き来するようになり、その息子がインドとフランスの融合した料理を編み出していく。

分子料理だとか、大きいお皿にちょぴっとっていうのは馴染みがなくって、一番おいしそうに見えたのは、飛行機が近距離で横切るボロテントの下、ハッサンが炭で焼いていたタンドリーチキン、もしくはマルグリットの家で出された台所にあったもので作った簡単な料理。おいしいおいしい。魂の味。

ハッサンとマダム・マロリーが一緒に作ったオムレツを一口食べたときの、マダムの背筋が伸びる瞬間。あの背中が忘れられない。言葉なんていらないんだ。