レッド・ファミリー Red Family


これは果たしてコメディなんだろうか。
通りにずらりと並んだ一軒家のなかでたった二軒。そこが主な舞台だ。
北と南で分かれているように垣根が彼らを分断している。そこへお隣さんがなんの遠慮もなしに要らない洋服や窓に激突して死にそうな鳥、なんやかや、どやどや鍋を持って押しかけてくる。政府はない、そこにいるのは工作員たちとお隣さん。

彼らは家の中で、広い庭で、演技をする。

班長の厳しい言葉と、外で演技をしているときの柔らかいしゃべり方の違いが面白い。頭ごなしに叱責したり、同志に大口叩いておいて失態をしたり、一人突っ張る行動を取ったり、実は本当の彼女はお隣の母親と同じくらい他人に迷惑をかけちゃう性格なのかもしれない。(笑)

韓国の役者はためらわずに泣きじゃくるよね。そこがすごいと思うし、何度見てもびっくりする。
”演技で泣かせる”ことが韓国映画の魅力であるなら、この映画はそれを逆手にとって、映画のなかでそれをやっちゃった。すごい脚本をキム・ギドクは書くなぁ。