ファーナス 訣別の朝


良かった。
ベイルさんさすが。格好良かったわ。

誰かに止められて銃を下ろすような柔な男じゃない。頑固な製鉄夫なんだ。
恋人寝とり男が「後は俺がする」、ってお呼びじゃないんだ。
きっちり決着はつける。終わった後のあの顔よ。
もう刑務所へ行っても誰も来てくれないんだぜ、でも、後悔なんてしない気がする。

髪長いベイルさん、格好良いのー。ライフルというのが古風でいい。

弟の帰りを椅子に座ってコップ片手に待ってるときの光の当たり方とか、トンネルを挟んであっち側とこっち側を意識させる撮り方、もう煙のない夕方の赤い陽と黒のシルエットの製鉄所がまるでベイズ兄弟いや、ベイズの家系の秘密基地のように感じた。そして、そこに逃げ込むデグロートとライフル抱いたラッセルの姿が印象的だった。

ストーリーが地味な割にキャスティングが超豪華だった。
ダメ男な弟ロドニー、ケイシー・アフレック。 登場シーンのクズさよ、最高やん。
一瞬、横顔が実兄のベンにそっくりなシーンがあって、ファイトクラブでもベンをもう少し小柄にしたような肉つきで、やっぱこの兄弟のシルエットが好きだ(笑)

ベイル兄とも超仲良し。エンジンぶおんぶおんで見送ったり、ベイルさんが出所時のリアクションはアドリブかな?
二回の面会で、一回目は弟が泣き、二度目は兄が泣く。髭もじゃで二人とも限界に近い目の下のクマ。説教はよせよ、といいつつ兄は弟が心配だし心配されているのも弟はわかってる。「愛してるよ」 お手紙泣けるわ。。

あとレッドおじさんをサム・シェパードとかどんな濃い家族だよw
特になにもしていないのに、頼れるおじさん感はんぱない。だから”傍にいる”だけの出演がちょっと勿体ないんだけども。

寝とり男ウェズリー、フォレスト・ウィテカーもなかなか骨太な、きっちり妻は守る奴。
「俺たちには熱烈な恋愛感情はない。でも、いい関係を築いてる。」
「俺に任せろ」
格好いいぜ。彼のことももうちょっと知りたかった。

そしてウディ・ハレルソン
見たまんま悪者。男女関係なし、容赦なく素早く殴る。一番やな奴、切れると最低切れなくても最低。だけどどこかコメディっぽくてな。なんでだろう、わたしがウディのことを面白い俳優として贔屓に見てるからかな(笑)
ロドニーを「あのタフなやつか」「強かった」って言ったのがなんとなく腑に落ちない。

ウィレム・デフォーも兄弟に甘いのかなんなのか、事件の日に兄に酒をすすめたことについてちょっと責任を感じているんだろうか。”兄弟”を擁護する立場って映画だと「処刑人」を思い出すな。デフォーも脇役すぎたので勿体ない。洋服も普通の服装だしもったいないよ!笑