静かなる男

ジョン・フォード監督生誕150周年を記念して、シネマート新宿にてデジタル・リマスター版を上映中。

私が生まれる前の作品で、ジョン・ウェインを初めてみた。
結構なオジサンでちょっとびっくりした(笑)

ジョン・ウェイン演じるショーンはアメリカからアイルランドの故郷へ帰ってくる。
町に向かう途中、丘で羊の世話をしている女性を見つけ、ひとめぼれする。それがモーリン・オハラ演じるメアリー・ケイト。ここはどこだっけ?と見まがう程美しい姿。でもね、はっきりいってしまうと背景と合ってない(笑)
なんでばっちり化粧してるんだよ、なんて思う。
そもそも、メアリー・ケイトは遠くから見えたショーンのどこが良かったんだろう。気になっている仕草ははじめからしていて、でも全然惚れポイントがわからなかった。当たり前のように男目線の脚本。

お話は、あんまり楽しめなかった。
「女がいない男なんてありえない」と大地主のセリフがあるように、女性に対しての扱いが酷い。
モーリン・オハラはよく耐えたと思う。
まぁ、メアリー・ケイトの行動もよくわからない部分が多くて、謎な性格だけど。

一番グッときたのが、兄から家具を取り戻したメアリー・ケイトがピアノを弾きながら歌う場面から、お気に入りの家具が自分たちの家のなかにある喜びをかみしめるところ。見てるわたしまで嬉しくって嬉しくって泣きそうになってしまった。

馬車の馬の名前がナポレオンとか、寝袋に対しての住民の反応とか、殴り合いのシーンが面白かった。ネタが古くて逆に新鮮!


アイルランドの牧歌的な風景がとても素晴らしかった。この光景を見られただけで満足かも。
オープニング、赤く鮮やかな夕日をバックに始まるんだけど、あの色はこの映画のカラーじゃない。だからあそこに使ったんだと思う。とても好きだった。

ラストに手を振るふたり。よく使われる場面だけど、ここを見ているとこの映画はアイルランドという土地の物語なんじゃないかと思った。